NEMARU(ねまる)のにいがた発見旅

新潟県長岡市の宿『NEMARU ほんとぐらし』の宿長が新潟観光を主観でほんのり提案するブログです。

もはや歴史のテーマパーク|新潟県立歴史博物館

火焔型土器はご存知でしょうか。

とても装飾が凝った不思議な形の縄文土器で、芸術家 岡本太郎は初見で「何だこれは!?」と叫んだと言われる土器です。

そんな奇妙な形をした土器が新潟県内の各所、主に信濃川流域から発掘されています。

ここ長岡市にある『新潟県立歴史博物館』でも展示されています。

略してレキハク!

 

大きめの体育館のような外観。

長岡市を見渡せるような丘の上にあります。

この日は講習会があったようで平日ですが駐車場は埋まっていました。

 

入り口に土器が。

この不思議な形をしたのが火焔型土器です。

長岡駅前やねまるのある与板、長岡市の至る所にモニュメントがあります。

 

まず観覧券売り場で常設展チケットを買います。

一般は520円。

中学生以下は無料なのがいいですね。

 

平日はショップと食堂はお休みみたいです。

昔は営業していたと思うのですが。

コロナ禍の影響でしょうか。

また通常に戻ってもらいたいものです。

 

常設展へは地下に降ります。

 

地下とは言っても建物が丘の斜面に建っているようで普通に屋外が見えます。

 

写真、ビデオ撮影オッケーです。

写真いっぱい撮っちゃうぜイエーイ!

 

レキハクアプリもできたみたい。

歴史博物館は近代的です。

 

展示室前の広場。

入り口がいくつもあって、それぞれテーマで別れた内容になっています。

順序はあるので、それに沿って行くのがベスト!

 

最初は新潟県のあゆみエリア。

古代から近代までの新潟県の歴史を学べます。

 

新潟県は周囲を山脈に囲まれ近隣地域からも距離があり閉ざされたイメージがありますが、古代から交流は結構あったみたいです。

 

越後の武将といえば上杉謙信ですね。

私は正直歴史が苦手なので歴史上の人物には疎いですが、流石にこの人は知っています。

 

現代とは違って昔は大陸との交流が主だったため、地図が逆さなのが面白い。

 

これを見ると以前大河津分水路の記事を書いた内容の通り、河川が全て新潟市に集まっています。

沢山の池(潟)があるのも分かります。

新潟の今を形作った東洋一の大工事(信濃川 大河津分水路と資料館) - NEMARUのにいがた発見旅

 

佐渡の地図も。

 

江戸時代、佐渡金山から採掘した金銀は江戸幕府に運ばれていました。

採れた金銀は船で海を渡り出雲崎へ着き、北国街道やねまるのある与板の三国街道を通って江戸まで。

出雲崎が天領地だったのもこのためですね。

夕陽が沈む道の駅|道の駅 越後出雲崎・天領の里 - NEMARUのにいがた発見旅

今ではほぼ面影のない与板町も宿場町だったんですよね。

 

良寛さんの解説も。

 

県内出身の歴史に名を残した人物。

田中角栄や山本五十六、ジャイアント馬場も。

 

昔は県内で石油ブームとなり国内生産量の90%以上の石油を産出していました。

今では静かな港町の出雲崎や長岡の東山、新津の里山などに櫓が沢山建っていたそうです。

石油が吹き出した里山|新潟市秋葉区の石油の世界館 - NEMARU(ねまる)のにいがた発見旅

 

館内は資料で知るだけではなく、雰囲気を体感することもできます。

 

主に"体験"にシフトしていくのはここから。

雪とくらしエリアは雪国新潟の豪雪を等身大で体験することができます。

 

昔の雁木通りと家屋が再現されており、当時の面影そのままの雰囲気を体験することができます。

雁木とは新潟で各々の家が玄関前に用意した所謂昔のアーケードです。

 

商店街が雪に埋もれています…

豪雪時、今みたいに融雪が発達していない時代は道に落とすしか無かったのでしょう。

水路に流す地域もありますが。

 

タイムスリップしたみたい。

 

こんな駄菓子屋はもう無いなぁ。

個人の駄菓子屋自体皆無ですね。

 

こういう雰囲気好き。

 

不意に人影があるので割りとビビります。

 

(チラッ)

 

2階に上がると先程歩いた雁木通りの上に出ます。

これが屋内で等身大で作られているんだから凄いですよね。

 

合わせて、写真などで当時の雰囲気を知ることができます。

 

次は米づくりエリア。

まだ治水が上手く出来ていなかった頃の人々の苦労を知ることができます。

 

VR水田(物理)

 

今は機械に置き換わり、稲架木(米の乾燥に利用する木)なんて殆ど見なくなりました。

 

まだ乾田でない頃、排水を人力で行っていたのが凄い。

 

船で田植えをしていたなんて想像もできない苦労です。

 

出口に出ました。

ふう、中々疲れた。

でも濃密な内容で凄かったし楽しかった!

ぜひ新潟に来たら一度は歴史体験して貰いたいですね!

 

ってまだ全体の半分!!!

普通にブログを前後編に分けても良いボリュームです。

が、一回にまとめます!

 

ここからは縄文展示とのこと。

何やら雰囲気が変わりました。

 

こちらも雪と暮らしエリア同様に等身大で復元されています。

 

かなりリアルなのでタイムスリップして止まった時間を見ているかのよう。

 

上にもいた!

 

古代を眺めているのに近代的な通路で不思議な感じです。

 

ここは普通に歩いて家の中を覗いたりできます。

 

火焔土器もこんな雰囲気の中で作られたのですかねぇ。

 

最後のエリアです。

縄文文化を探ります。

 

縄文時代を体験してからここに来ると、なんとなくクロノ○リガー感が。

 

ここでは縄文時代の様々な情報を知ることができます。

 

火焔型土器が並べられています。

ちなみに火焔土器と火焔"型"土器という違いが一応ありまして。

歴史博物館近くの馬高遺跡で一番最初に出土した土器が火焔土器。

以降に発掘された火焔土器に類似した土器を火焔"型"土器とされています。

なので十日町市の笹山遺跡から出土し国宝となった土器は火焔型土器です。

合わせて馬高遺跡にも笹山遺跡にも行きたいですね。

 

という訳で、ようやく全てを見終えました。

勿論一部しか紹介できていないので本当にすんごいボリュームですよここは。

中央のこのスペースでは考えられないような空間が広がっています。

 

このときは「大河津分水と信濃川の治水」の企画展が行われていました。

ここでは写真撮影不可です。

集めた歴史的資料で時代を追っていく内容でした。

大河津分水路計画時に何故反対が多かったのかも良くわかりました。

色々と事情があったのですね。

分水の資料館とはまた違う見方ができました。

 

新潟県立なだけあって県内の歴史が集約しています。

ただ資料を見るだけでなく雪国や縄文の生活を追体験できるような凄い歴史博物館でした。

新潟観光にいらした方にも是非オススメしたい博物館です。

 

【公式ウェブサイト:新潟県立歴史博物館】

nbz.or.jp